2026年、元旦。姫路城の白さが、いつもより少しだけ鮮やかに見える気がする。
かつて私は、この場所で「ええやん姫路」というメディアを運営していた。しかし、いつの間にか効率や数字、そして模倣という名の「重力」に捕まり、筆を置いてしまった。あれから10年。世の中のWebメディアは、AIによる情報の大量生産と、検索順位という重力に縛られた無機質な記事で溢れ返っている。だからこそ、今、私は再びこの場所に戻ってきた。
なぜ今、再び「姫路」なのか
10年前、私が「ええやん姫路」を立ち上げた時、そこには純粋な好奇心があった。路地裏で見つけた小さなカフェの湯気、大手前公園で遊ぶ子供たちの笑い声、そして刻一刻と表情を変える白鷺城。しかし、サイトが成長するにつれ、私は「検索ボリューム」や「PV数」という見えない数字の重力に引きずり込まれていった。
「読者が何を求めているか」ではなく「Googleが何を評価するか」を優先し始めた時、メディアとしての魂は死んだのだ。その後、私の手法は他者に模倣され、ネットの海には似たような情報が氾濫した。私は確信した。既存のメディアの形は、もはや読者の心を癒やす場所(シェルター)ではなくなっていると。
「アンチグラビティ」という新しい挑戦
今回の復活において、私は一つだけ自分に禁忌を課した。それは「数字を追わないこと」だ。もちろんSEOの技術は使う。しかし、それはあくまで「届けたい人に届けるための補助線」に過ぎない。
「ええやん姫路」が提供するのは、速報でも網羅性でもない。「街の手触り」だ。そこに行けば何があるか、ではなく、そこに行った時に何を感じるか。0歳児を抱えて歩く親の不安、10年前の景色を懐かしむ老人の孤独、そして新しくこの街にやってきた若者の期待。それらの感情という名の浮力を、文字という形に定着させていく。
これからの365日
今日から、私は毎日20時に記事を放流する。それは誰かに読まれるためだけではなく、私がこの街で呼吸しているという証だ。もしあなたが、SNSの喧騒や、誰かと比較して焦る重力に疲れたなら、ふらりとこのサイトに立ち寄ってほしい。
ここには、正解はない。ただ、あなたと同じように、この街で揺れ動きながら生きている一人の人間の視点があるだけだ。さあ、新しい冒険を始めよう。重力を振り切り、私たちはどこまでも自由になれる。
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